
注射せずにインスリンを投与できるロボットをイタリアのチームが開発中!糖尿病患者への負担軽減へ!
人類が宇宙への新たな挑戦が目まぐるしい昨今、数十年前に比べると頻繁に宇宙へ向けロケットを飛ばす数というのは増えています。
今年の12月には実業家の前澤友作さんも日本人初の民間人として国際宇宙ステーション(ISS)へ12日間滞在する予定です。

宇宙に打ち上げられたロケットが、国際宇宙ステーションにドッキングする様子を想像してみてください。
ロケットが国際宇宙ステーションに接近し、物資や人の輸送を行います。
このプロセスのミニチュア版を体の中でやろうとイタリアの企業と研究チームが立ち上がっています!!
彼らは輸送ロケットと宇宙ステーションのような物資の供給を可能にする“腸内で機能するロボットシステムを構築した”と発表しました。
このシステムは、外科手術によって腹部に埋め込まれたインスリン投与ロボット(例えるなら宇宙ステーション)と、ロボットにインスリンを補給する飲み込み可能な磁気カプセル(例えるなら輸送ロケット)が含まれています。
このロボットを開発したイタリアの企業は、3匹の糖尿病の豚でこのシステムをテストしました。
その結果、このシステムは豚の血糖値を数時間にわたってコントロールすることに成功したとのことです。
論文の著者であり、イタリアのサンタンナ・スクール・オブ・アドバンスド・スタディーズのバイオメディカル・ロボット工学およびバイオエンジニアリングの教授であるMenciassi教授は、「体内にドッキングステーションがあると考えるのは恐いかもしれませんが、うまくいきました」と語っています。
Menciassi教授のチームが開発したシステムでは、ガラケーほどの大きさのデバイスを小腸と連結する腹壁に沿って埋め込み、その空間にある液体にインスリンを投与します。埋め込まれたデバイス内の残薬が少なくなると、磁気を帯びたインスリン入りのカプセルがデバイスに向け運ばれ補充されます。
まさに国際宇宙ステーションにドッキングする輸送船のようですね!

人間の場合、この補充作業は理論的にはどのように行われるかというと、患者さんがカプセルを錠剤のように飲み込み、カプセルは消化器を通り、デバイスが設置された小腸の部分に到達します。
デバイスは、磁場を利用してカプセルを引き寄せ、回転させ、正しい位置に固定します。
その後、デバイスは格納式の針でカプセルに穴を開け、インスリンを保存場所に送り込みます。
デバイスには、ドッキング、針の穿刺、薬剤の保存の容量と吸引、ポンプを制御する4つのアクチュエーターが搭載されています。
ドッキング用のモーターは、磁石を回転させてカプセルを所定の位置に誘導します。このアイデアは工業用のクランプシステムや配管検査ロボットからヒントを得たといいます。
インスリンが投与された後、デバイスはカプセルを解放し、カプセルは自然に消化管を通って体外に排泄されます。
カプセルのドッキングと放出を制御する磁場は、外部のプログラミングデバイスによってワイヤレスで制御され、オン/オフの切り替えが可能とのことです。
また、デバイスのバッテリーは、外部機器によりワイヤレスで充電できるとのこと。
現代のアイデア・テクノロジーが詰まりまくってますね!!

このようなシステムは、1型糖尿病患者、特に1日に何度もインスリンを体内に注射しなければならない患者にとって有用であると考えられ、インスリンポンプは市販されていますが、体内にチューブや針を刺して薬剤を投与するため、外付けのハードウェアが必要です。また、体内に埋め込むタイプのインスリンポンプもありますが、体外に出ているチューブからインスリンを補充しなければならず、細菌感染の危険性があるため、あまり普及には至っていません。
錠剤で補充できる完全埋め込み型のシステムであれば、突出したチューブやハードウェアが不要になるとMenciassi教授は言っています。またこのようなシステムは、卵巣がん、膵臓がん、胃がん、大腸がんの患者に化学療法を行うなど、他の病気の治療薬を投与する際にも有用であるとも報告しています
次のステップとして、移植されたデバイスをより強固に密閉することに取り組んでいます。
Menciassi教授は、「一部の豚では、ロボット内部に体液が侵入していることが確認されました」と語っています。
体液の一部は、ドッキングの際に針がデバイスから抜ける際に発生している可能性があるとのことです。
水の中で実験したときには液漏れは起らなかったとのこと。
人間の体はもっと複雑なため、まだまだ研究とデータが必要のようですね。
糖尿病患者への負担はかなり減ると思うので実用化に向け頑張っていただきたいですね!!
参照
Robot Could Operate a Docking Station Inside the Gut Magnetic drug capsule docks with implant to deliver insulin
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